【CG自主制作】魔女キルケ(オリジナル)

CG自主制作

お疲れさまです!ふかいまさやです!

今回はオリジナルで『魔女キルケ』をつくりました。

 

はじめてのセミリアルキャラクターモデリング。

自分でキャラクターデザインをして、制作でつまづくたびにググりまくって。

前回の勉強を経て、ようやく完成まで持ってこれました。

リアルっぽい目玉を勉強してみた【キャラクターモデリングの予習】
お疲れさまです!ふかいまさやです!前回はゆるキャラ的なやつを作り、次はリアルに近い人間のキャラクターモデリングをやっていこうとたくらむ今日この頃。しかしながら、セミフォトリアルなキャラクターモデリングについて何も知りません。そこで現役モデラ

夜な夜な部屋で独身男がひとりCG女体をこしらえる図に初めは我ながら笑えましたが、いざ出来上がったときの達成感ったら尋常じゃなかったです。

 

では以下、制作物の紹介、制作過程、反省点!

制作物について

ギャラリー

使用ツールや制作期間など

使用したツール・外部サイト

制作期間

2022年11月17日~12月9日(23日間)

制作にあたって意識したこと

  • 360°どこから見られても鑑賞に耐えられるように
  • 誰かに依頼されたと仮定して、妥協を許さずに

主にこの二点ですね。

はじめてのセミリアルキャラ制作だったので、締め切りは特に設けませんでした。

また、オリジナルには正解がないため、実際に売りに出したとしても恥ずかしくないと感じるまで作り込むことにしています。

制作の過程

キャラクターデザイン

ラフスケッチ

モチーフ

“キルケ”は、ギリシャ神話に登場する魔女で、自分に惚れた男たちをブタに変えたり、片想い相手が惚れた女性をキメラに変えたりするやば女。

Pinterestでたまたま見つけて「すげえ!!」と感動した、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの『嫉妬に燃えるキルケ』(Wikipedia)をもとにキャラクターデザインしました。

デザイン発注書

5項目の発注書を自分でつくってキャラクターを設計。

  1. 一言で言うと?
    → 水の杯をかかげる魔女
  2. 性格は?
    → もの静か
  3. 体型は?
    → スリム
  4. 衣装は?
    → 神様が着ている布一枚の衣装(青)
  5. 色のイメージは?
    → 青緑

敵か味方か分からない、得体の知れないキャラクターをイメージ。

これは制作開始当初のものなので、完成品と若干変わってたりします。

モデリング

素体の作成

箱からラフモデルを作り、スカルプトで形状を修正、それにリトポロジーをかけていきます。

言うはやすし、されど、実際の女性の人体のモデリングはめちゃかたし。

筋肉がどこにあって、関節の曲がりでどうふくらむかとか、全くもってわかりません。

つど自分の体を鏡に映したり、グーグルで調べたりしてモデリングを進めていきました。

 

体の中でも特に顔。

一部分の形状を少し変えるだけで、顔全体の印象がガラリと変わるというのは、難しいながらもおもしろかったです。

眉毛、まつ毛、髪の毛

毛を生やしたい部分の皮膚を複製し、ウエイトペイントを塗ってパーティクルのヘアーを生やしていきます。

 

参考にした動画はこちら。

エミッターが消えないときの対処法

毛の発生源であるエミッターは、毛だけを残して非表示にしたいところですが、なぜかパーティクル設定欄のチェックを入れてもエミッターが消えないことがありました。

エミッターが消えない

オブジェクトを選択して、「マスクモディファイアー」をかけると解決します。

マテリアル設定

UV展開

今回は「UDIMテクスチャ」という方式でUV展開しました。

ひとつの画像内で展開するよりも、より簡単に、より高解像度に仕上がります。

ちゃんとUV展開しておかないと、くちびるをテクスチャペイントしたら全身にキスマークできたりするので、めんどくさくてもはしょりません。

テクスチャペイントとシェーディング

肌のシェーディング画面

ペイントしたテクスチャ画像

人肌の表現ってまじむずい。

今回つくるのはセミリアルなキャラクターなので、ディティールが細かすぎると気持ち悪くなるし、単に肌色のっぺりだとチープに見えるし、そのバランスをどう取るかに四苦八苦しました。

 

部分的にテカリ具合を変えるために、別で白黒テクスチャペイントをほどこしたり。

HDRI画像を適用したワールド下で、レンダリング結果をチェックしていきます。

 

ちなみに、布のマテリアルに使ったPBR画像はこちら。

Textures for 3D, graphic design and Photoshop!

リギング・ポージング

mixamoにモデルをアップロードして、リグとポーズアニメーションを追加。

適当なフレームでモデルを固定させて、今回は片腕だけポーズモードで変形させました。

ポーズ変更にともなって歪んだ筋肉の隆起などは、適宜スカルプトで修正していきます。

 

結局使わなかったケージモデル

物理演算(シミュレーション)

当初は杯や壺から水を注がせようと考えていたましたが、

  • 重いものを持たせて、しかもそれを傾けるというポージングを自然に見せるのは難しそう
  • なんだかアイデアがかたい気がする

そんなこんなで、「魔女なんやから指から水くらい出せるやろ」と発想を飛躍。

 

物理演算は、布も液体もやったことがありません。

何回もやり直しながら、理想の結果がでるまで根気よく向き合います。ネバーギブアップ。

物理演算(シミュレーション)でうまくいかないときに試す2つのこと

物理演算でつまづいたときに僕が乗り切った対処法を残しておきます。

オブジェクトを大きくする

クロスシミュレーションをかけるときに、セルフコリジョンを有効にすると、何度やってもメッシュがアルミホイルを丸めたみたいにくしゃくしゃに。

クロスシミュレーションにかぎらず、物理演算がおかしいときはオブジェクトを大きくすると解決するかもしれません。

実際僕がやったとき、クロスシミュレーションで5倍、流体シミュレーションで50倍にスケールアップしてうまくいきました。

Blenderのバージョンを変える

僕は液体のシミュレーションだけ、Blender3.3.1を使っています。

3.2.2は処理が重く、2.93.10はすぐに落ちますが、3.3.1は意図通りの挙動を見せてくれました。

バージョンが変わるだけでうまくいくかどうかが変わるのは我ながら発見でしたね。

ただ、3.3.1は以前使ったのですが、スカルプトで謎にフリーズします。

ライティング・コンポジット

コンポジット画面

いつもは派手にしがちなライティングとコンポジットを、今回は控えめにしています。

あくまでモデルの造形を見てもらうため、過剰な演出は邪魔になるだろうと判断しました。

反省点とこれから

初期レンダリング

根本的に人体構造の知識が足りない。

制作している最中、これを特に痛感しました。

いちいち調べているとモデリングに時間がかかるし、いざ造形するときにも迷いが生まれる。

そういうベースしっかりしているかどうかで、完成するものに迫力や説得力があらわれるように感じます。

僕の作ったものには、それが無いな、と思いました。

 

次の制作まで、美術解剖学的な本を読んで勉強してみようと思います。

人体構造以外にも、今回の制作の反省点は12個ありましたが、ひとまずこの課題に一点集中!

おわりに

ご覧いただきありがとうございました!

こういう系の制作を続けていくつもりです。

ではまた。

タイトルとURLをコピーしました